昨日の日曜日、とある場所に行くため電車に乗った。
お洒落な街を走る路線だったので、乗っている乗客もスタイリッシュでファッショナブルな若者が多かった。
席が空いてれば座って文庫本でも読もうかと思ったが、あいにく座席は埋まっており、扉を入ってすぐの通路で吊り革に掴まることになった。
ふと扉のほうへ目を向けると、入ってくるときには気づかなかったが扉の脇に少女が立っていた。
身長160㎝くらいの背が大きく、耳が長い白い犬のキャラクターが描かれたリュックを背負い、薄い水色を基調としたキッズファッションに身を包んだおそらく11〜12歳くらいの女子小学生がリーマンオヤジよろしく新聞を読んでいた。
小学生が電車で新聞を読むっていうはあまり見かけない光景だ。珍しく思いながらも新聞を読むなんてなかなか関心な小学生だと思った。
ただ、なんかおかしい。新聞で顔が隠れていて見えないが、何か違和感を感じる。
私はその女子小学生をよくよく観察した。すると、新聞を持つ手が妙にゴツゴツしていて皺っぽい。あのゴツゴツ感は肉体労働を二十年以上こなさないと出ないエイジングっぷりだ。
あれ、もしかしておばあちゃんかな? 孫のおさがりを着ているのかな?
そう思い、新聞の脇から顔を覗いこうと試みたが、反対側の記事を読んでいて後頭部しか見えない。頭が大きすぎて児童用の小さなメッシュキャップが入らないようで、被るというというより乗せている状態だった。髪の毛は暑苦しいほど量が多く、妙にパサついていて白髪が混ざっている。 あきらかに小学生ではない。
私は正体をつきとめたくて熱心に頭部を観察していた。するとその偽小学生が、突然ガバッとこちらに振り向いた。
ガッチリ目が合った。おもいっきり中年のオヤジだった。年は50代前半くらいだろうか。我修院達也似の濃い顔したオヤジだ。
その小学生オヤジは私に「なんなんだよお前っ!」とでも言いたそう胡乱な目を向けてきた。私は「そりゃこっちのセリフだよ」と目で応えた。
女装している男性はたまに見かける。しかし、女児装している男性は初めて見た。
女で児童になりたいという、ハイブリッドな変態オヤジがいたもんだ。
この記事は、バキュームカーという名前で個人的にやってたmixiに2010年11月8日に投稿した日記をサルベージしたものです。このころ暇さえあれば小説を読んでいて、その影響で一人称を「私」にしてみたり、「だ・である」調のかっこつけた文体になってます。
コメントを残す