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【サルベージ日記】「マボロシの鳥」(2010年10月25日)

注意
この記事は、バキュームカーという名前で個人的にやってたmixiに2010年10月25日に投稿した日記をサルベージしたものです。このころ暇さえあれば小説を読んでいて、その影響で一人称を「私」にしてみたり、「だ・である」調のかっこつけた文体になってます。ちなみにマボロシの鳥を読んだ感想は「ボクにはちょっと難しかった」という感じです。

私は30歳になるまでに一冊しか小説を読んでいなかった。小説以外の活字で構成された本もほとんど読んでこなかった。

私が小学3~4年時に担任だった教師は、各生徒の読んだ本のページ数を営業成績かのように棒グラフ化して教室の後ろに貼りだしていた。私は人から良く見られたい子供だったので、ズッコケ3人組っていう子供向けの小説や読めもしない分厚い小説など図書室で何冊も借りてきては、読んだフリをして先生に嘘をつき、グラフをぐんぐん伸ばしていった。仲の良かった友達との間でパラパラパラーっと本をめくり「はい読んだー!」という速読法ギャグが流行った。ギャグで使った本のページ数もグラフ化してもらった。気づけばクラス1の読書家になっていた。

中学に入ってからは本に触れた記憶が全く無い。読書感想文は友達が読んだ本のうろ覚えストーリーを聞き、その感想を書いて提出していた。

高校の頃読んだ本といえば松本人志の本くらいだ。「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」のトーク部分のみを120分テープの3倍モードで録画したVHSを擦り切れるくらい何度も観ていた。それくらい大好きな芸人「ダウンタウン」の頭脳である松本人志が書いたエッセイ「遺書」を、感受性が「剥けたばかりの亀頭」くらい超敏感な時期に読んでしまったので、彼の考え方が後の人生に大きく影響した。高校の時読んだ本はそれくらいだった。

専門学校卒業して漫然とフリーターをしてた頃、ヤングマガジンの巻末にのっている作者のコメント欄で「ビーバップハイスクール」の作者きうちかずひろが「バトルロワイヤル」という小説がめちゃくちゃおもしろいと紹介しているのを見つけた。「バトルロワイヤル」が出版されたばかりでまだ話題になっていない頃だ。中学生が孤島でゼロサムゲームさせられるっていうぶっ飛んだ設定が興味を惹き、即購入。辞書みたいに分厚くてはたして自分がこれを読みきることができるのかと不安におもったがそれは杞憂に終わりあっと言う間に読み終えた。ゲームブックなどを除けば初めて読んだ小説だとおもう。小説バトルロワイヤルは面白かった。ただ、こんな面白い小説は他にあるはずがないと勝手に決めていた。なぜか小説はつまらないものというイメージが私の中で根強くあった。その後、少年Aなど凶悪犯の犯罪ルポを何冊か読んだ。

会社に就職してから読んだのは北九州連続殺人事件のルポ「消された一家」とマネーの虎で活躍してたSOD高橋がなり社長の教訓本や某アーティストのコラム本など。

これまでの人生で読んだ本はせいぜい10~15冊くらいだろうか。小説でいえばバトルロワイヤルの一冊のみ。

そんな私が30歳になったあたりから怒濤の勢いで小説を読むようになった。なぜかといえば読書の楽しさ、小説の面白さを知ったからだ。それを教えてくれたのが爆笑問題の太田光だった。

太田は幼少の頃からの読書好きで、友達がいなかった高校時代は、授業以外はいつも本ばかり読んでいた。高校の修学旅行では文庫本10冊持参して全て読破したという。そんな太田は何本もの番組レギュラーに加え雑誌の連載を多数抱える多忙な身にかかわらず今だに年間100冊近く本を読む読書家だ。
私は芸人太田光はそんなに好きではない。ビートたけしという肉食動物にあこがれた草食動物が、無理して肉を食っているという印象が拭えず、いつまでも二番煎じというイメージでなんだか好きになれないのだ。

ある人に「面白いから聴いてみれば」と勧められ、爆笑問題のラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」をまったく期待せずに聴いた。私がたまたま聴いた回が、「太田のこれを読め」という彼が2時間ぶっ通しでいくつかの本を薦めるという企画の回だった。太田は笑わせるという芸人の本分を投げ打って、真剣に本を紹介する。「なんだコイツは」と私は怒りを感じた。芸人のくせしてなぜクソ真面目に本など紹介しているのか。芸人なら笑わせてなんぼだろ。

しかし、しばらく聴いていると、彼の話に惹き込まれていった。どんどん惹き込まれ、気がつけば彼の話にどっぷり浸かっていた。肩まで。「へぇ、そこまで感じ取りますか」というくらい彼は本を深く読み込んでいる。太田の言葉は小説家やその作品に対する愛情や尊敬の念を感じさせる。そして魅力的に本を紹介する。ゆえに彼のすすめた本が無性に読みたくなる。

「太田のこれを読め」を聴いた直後、amazonで彼が紹介した小説を購入した。ある事件の真相を質問と回答のみで構成している、恩田陸著「Q&A」、家族の本当の絆を凄惨な手法で問いつめる殺人鬼の話、天童荒太著「家族狩り」の2作だ。どちらも面白かった。夢中で読んだ。私はお笑い芸人太田光はあんまり好きではないが、読書家太田光には絶大なる信頼を寄せるようになった。

それからは太田のすすめた本をネットで調べ上げ読みあさり、amazonやブックオフで面白そうな本を探しては買い求めていった。時間を忘れ夢中で読んでしまう面白い小説や、読むとページが減るのがもったいないと感じてしまうほど愛おしい小説に出会うことができた。これまでの人生で小説を読んでこなかったことを後悔した。小学生の頃、ちゃんと小説を読んでグラフを伸ばすべきだったと猛省した。

そんな、読書の楽しさすばらしさを私に教えてくれた太田が初めて小説を書いた。エッセイやボケとツッコミで展開される「爆笑問題の日本原論」みたいな本は100冊以上出している太田だが、小説は初となる。処女作のタイトルは「マボロシの鳥」で発売は10月29日。これは期待せずにはいられない。

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